猫の内分泌疾患でよくみられる甲状腺機能亢進症。猫が甲状腺機能亢進症になる原因や病気になったときの症状、診断方法、そして甲状腺機能亢進症の改善方法などについてまとめました。

この記事でわかること

監修獣医師:林美彩  所属クリニック:chicoどうぶつ診療所

林美彩

代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。

甲状腺とは

甲状腺は、気管の横にくっついている小さな内分泌器官で、食べ物に含まれるヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌するところです。

甲状腺ホルモンは、

  • 新陳代謝の促進
  • 体温調節
  • 心臓や胃腸の活性化
  • 脳の発育、成長

などの働きを担っており、健康に生活するためには欠かせないホルモンです。

甲状腺ホルモンは、脳から送られる甲状腺刺激ホルモンにより、血液中で一定に保つように調節されています。

この調節能力が破綻し、甲状腺ホルモンが過剰に働いてしまった場合、『甲状腺機能亢進症』として、様々な症状を引き起こします。
ネコちゃんの内分泌疾患で多く見られるのが、『甲状腺機能亢進症』で、8歳以上のシニアの子での発症が多く見られます。

甲状腺機能亢進症の原因

①甲状腺の腫瘍、過形成
良性・悪性どちらにおいても、甲状腺ホルモンが過剰に生成されることで、発症します。
過形成(甲状腺を構成する細胞が増えたり、大きくなること)の場合にも、甲状腺ホルモンが通常より多く分泌されますので、甲状腺機能亢進症の症状が現れます。

殆どの場合が良性(甲状腺腫)や過形成で、甲状腺機能亢進症の1番の原因でもあります。
多くの場合、片側の甲状腺だけが腫れますが、両側が腫れる場合もあります。

②環境要因
市販のフードに含まれるヨウ素やイソフラボンの過剰摂取、生活環境中の化学物質などが、甲状腺の過形成に関与していると言われています。

③その他
まだ明確にされていませんが、遺伝性、免疫系、長寿化などが関与していると言われています。

甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺機能亢進症の症状としては、以下のものが挙げられます。

  • 痩せてきた(しっかり食べているのに痩せてくる)
  • 食欲があまりない
  • 高齢なのに活発、食欲旺盛
  • 大声でよく鳴く
  • 毛が抜ける
  • 水をよく飲み、大量のおしっこをする
  • 下痢・嘔吐
  • 元気消沈
  • 体に火照りがある(体温が高め)

この中でも、『食べているのに痩せてくる』『大声でよく鳴く』『毛が抜ける』などは、ご年齢に伴う症状と見られることも多いので、飼い主様も見落としやすい症状かもしれません。

その他、不整脈や心筋症などの心臓系の疾患や腎臓疾患を併発している場合もあります。

甲状腺機能亢進症の診断

甲状腺の異状は身体検査による削痩や脱毛、触診による甲状腺の腫大が確認できる事があります。

甲状腺に異常があっても血液検査では、他の疾患を併発していない限り、一般血液検査(CBC)での異常は見られません。

生化学的検査では、アルカリフォスファターゼ(ALP、ALKP)という肝酵素の上昇、ASTの上昇、BUNの上昇が見られます。
また、甲状腺ホルモン(T4、若しくはFT4)の上昇も確認します。

T4(サイロキシン)は様々な疾患により低い値を示すことがあるため、甲状腺機能亢進症の診断には、その他の疾患による影響を受けにくいFT4(遊離サイロキシン)と合わせて、診断することになります。

その他、レントゲン検査やエコー検査で、心臓の肥大が見られることもあります。

甲状腺機能亢進症の治療

①薬物治療
抗甲状腺薬(例:チアマゾール、プロピルチオウラシル)によって甲状腺ホルモンの合成を抑制し、症状の緩和を図ります。
副作用として、食欲不振や嘔吐、重大な副作用としては白血球の仲間である顆粒球の減少や、止血に関与する血小板の減少を引き起こすことがあります。
通常は低用量から始めていき、定期的な血液検査と症状の改善を見て、投与量を調節していきます。

②外科的手術
手術によって、甲状腺を摘出します。
両側とも摘出した場合には、甲状腺ホルモンの分泌が全くない状態になってしまいますので、生涯に渡り甲状腺ホルモン(例:レボチロキシン)の投与が必須となります。
しかし、甲状腺には『上皮小体』という血液中のカルシウム濃度を調節するホルモン(パラソルモン)を分泌する、小さな内分泌器官が付着しているため、手術の際に傷つけてしまったり、一緒に摘出されてしまうこともあります。
その場合、血液検査で低カルシウムが確認されますので、甲状腺機能亢進症の治療と並行して、上皮小体機能低下症の治療も行います。

③療法食
ヨード制限を行っている療法食を用いて、甲状腺ホルモンの原材料の摂取を抑制します。
ヒルズのy/dがこれにあたります。

甲状腺機能亢進症に免疫のチカラを

甲状腺機能亢進症を持つネコちゃんの飼い主様からのご相談も多く頂きます。
殆どの子で『体に火照りがある』とのご報告がありますので、有機ゲルマニウムが配合されていないコルディがお勧めです。

お身体に火照りがない場合であれば、有機ゲルマニウム配合のコルディを少量から始め、ご体調に合わせて増加していただいても問題ありません。

免疫力を正常に保つことによって、お体のバランスを整えることが期待でき、中には投薬量が少なくなったというご報告も頂いております。

ネコちゃんの健やかな生活のために、免疫対策をしてあげてください。

改善例

甲状腺機能回復例

猫の免疫力回復のために

当研究室ではコルディを与えることで免疫力が整い、甲状腺機能が整う事が期待できるのか研究を進めています。

ご不明な点がございましたら、お問合せ下さい。

監修獣医師:林美彩  所属クリニック:chicoどうぶつ診療所

林美彩

代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。

メールアドレスの入力だけで簡単にコルディ資料請求
コルディ研究室電話TEL:048-474-0884
コルディメール相談