モノリスに電話する
乳腺腫瘍乳癌)を患っても治療のことをよく知り納得したうえでご愛犬にとってプラスになる治療を受けさせて欲しい、という思いでこのページを作成いたしました。手術後に再発や転移したり自壊(破裂)した乳腺腫瘍、そして余命宣告を受けた末期の乳腺腫瘍でも取り組み次第で予後の改善は可能です。以下を参考にしてください。

このページの目次

犬の乳腺腫瘍とは?

乳腺腫瘍は特に小型犬に発生しやすい癌です。メス犬だけに発症するとは限らずオス犬にも稀ですが乳腺腫瘍は発生します。

悪性の乳腺腫瘍はいわゆる乳癌です。悪性の乳腺腫瘍は手術しても再発したり転移することが多く、犬の命を危険にさらします。また、皮膚が破裂したように自壊してしまう事もあります。

犬の乳腺は胸からお腹にかけて左右5対(合計10)ありますが、この乳腺の一部が癌化したのが悪性の乳腺腫瘍です。

乳腺腫瘍は悪性?良性?

乳腺腫瘍の約半分は良性です。約50%は悪性です。

良性の乳腺腫瘍と悪性の乳腺腫瘍の大きな違いは転移するか・しないかです。良性の乳腺腫瘍は転移しません。
一方の悪性乳腺腫瘍はリンパ節や肺、腹部、肝臓などに転移します。また皮膚を破り自壊(破裂)することもあります。

そして悪性の乳腺腫瘍は命に係わる病気です。

乳腺腫瘍の完治・共存を目指すために

早期発見が大切ですが、それよりも癌になり難い生活環境を整えてあげたり、免疫を整える取り組みが、そもそも癌にならないために大切です。

身体の免疫がしっかりと機能し、ホルモンや自律神経のバランスが整っていれば、癌細胞どんどん成長し形となって、いわゆる乳癌になり難いのです。

既に癌を患ってしまったとしても、乳癌の原因を知り、その原因をできる限り排除し、癌が大きくなり難い、転移しにくい環境を作ってあげることはできます。

ご愛犬が乳腺腫瘍と診断されると悲し嘆き、途方に暮れてしまう方は多いと思います。心配になるお気持ちはとても良く分かります。しかし乳腺腫瘍=死ではありません。

全てを獣医師に任せてしまうのではなく、ご愛犬の一番近くにいらっしゃる飼い主様・ご家族様がご愛犬の身体をいたわり、生活習慣や栄養面を見直したり、免疫対策を行うなど取り組み次第で「わんちゃんがわんちゃんらしく過ごしていくこともできる」という事を是非とも知っていただきたいと思っています。

それにはまず、飼い主さんが犬の悪性乳腺腫瘍(乳がん)について正しい知識を学ぶことが大切です。
ご愛犬のために、一緒に勉強しましょう。

犬の悪性乳腺腫瘍(乳癌)とは

乳腺腫瘍の概要

犬の悪性乳腺腫瘍(以下、乳腺腫瘍)、乳癌は発生率の高いがんです。

犬の乳腺腫瘍乳腺腫瘍は犬の寿命が伸びたことにより増加している癌です。年を取るにつれ免疫力が低下します。特に高齢期に入ってくると免疫力は大幅に低下していきますので乳腺腫瘍の発生に気を付ける必要があります。

乳腺腫瘍は未避妊のメス犬ではしばしば見つかりますがオス犬にはほとんど見られません。早期に避妊治療を受ければ極端に発生率が下がるというのが定説で、避妊手術が推奨される根拠のひとつとなっています。

乳腺腫瘍は再発しやすく非常に「たちの悪い」がんです。そのため獣医師も「切除すればもう安心」とは思っていません。

切っては再発、切っては再発のまさに「モグラ叩き状態」に陥っているケースをたびたび耳にします。

再発率が下がると言われ、広域切除手術が推奨されています。これは「乳腺があるから再発するのだ。ならばがんに冒される前に健全な乳腺もすべて切除してしまおう。」という考えに基づいています。しかし広域に乳腺を全て切除しても再発するケースは後を絶ちません。

乳腺腫瘍の怖さはこれだけではありません。乳腺腫瘍はしばしば肺に転移します。肺に転移した場合は肺機能が低下していき呼吸困難により犬を苦しめ、徐々に、もしくは急速に生命力を奪っていってしまいます。

特にタチの悪い炎症性乳癌

炎症性乳癌(炎症性乳腺腫瘍)は、人でもしばしば発生します。

炎症性乳癌になると乳腺に激しい痛みを伴う炎症が認められます。乳腺が熱くなったり赤く腫れてきたり、時には自壊することもあります。
悪性度が高く急速に大きくなっていきます。そして、塊を作るよりも早く浸潤といって皮膚の周りにしみこむように拡がっていきます。

発生はまれで、犬の乳腺腫瘍全体の10%以下とされていますが、リンパ節や肺に転移しやすくいため、予後は非常に悪く、手術をしても治癒は難しい腫瘍です。

当社では自壊してしまった乳腺腫瘍対策にコルディEXという液体タイプのサプリメントを販売していますが、中には自壊した部分が綺麗な皮膚に戻った例もあります。一度ご利用されてみてはいかがでしょうか。

 

乳腺腫瘍になりやすい犬種や年齢は?

乳腺腫瘍は特にプードル、チワワ、ヨークシャーテリア、ミニチュア・ダックスフンドなど小型犬に発生しやすい傾向があります。

また、年齢的には若年ではなく中高齢になってからの発生が多くみられます。加齢とともに免疫の働きは落ちてくるため普段から免疫がしっかり働きやすい環境づくりをしたり、サプリメントを与えることは大切だと思います。

乳腺腫瘍を知って対策を始める

冒頭から乳腺腫瘍の怖さばかりを書いてしまい恐縮ですが、未避妊であっても発症しない犬はたくさんいますし、 手術後にまったく再発しない犬もたくさんいます。

このページをご覧いただいている皆様は、大切な家族の一員であるワンちゃんが乳腺腫瘍の疑いがある、乳腺腫瘍を患ってしまった、あるいは既に乳腺腫瘍と診断され手術を受けたり抗癌剤治療を受けたりしているかもしれません。

悪性度が高い・たちが悪い乳腺腫瘍でも取り組み次第では癌の進行を抑え癌と共存できたり、ワンちゃんの苦しみを軽減しQOL(生活の質)を改善していく事ができるという事を皆様にお伝えしたいと思います。

乳腺腫瘍の発生率は生まれつき決まっているわけではありません。発生率は日常生活に大きく左右されます。このページをご覧いただきご愛犬にあった対策法を見出して頂ければ幸いです。

ひとつ大切な提案をいたします。もし乳製品を与えていましたら今日から減らしていきましょう。乳製品の継続摂取は乳腺腫瘍を成長させると私たちは考えています。詳しくは後述します。

乳腺腫瘍の性質

乳腺腫瘍は犬に発生する代表的な固形癌です。主にメス犬の乳首周辺に発生し、比較的初期の段階から触れてわかるシコリを形成します。次第に大きくなり、触れずとも見るだけでわかるほど盛り上がってきます。シコリは1つのこともありますが、複数発生したり、途中から数が増えてくることもあります。

乳腺腫瘍は固形癌でありながら転移しやすい性質を持ちます。実際に末期の乳腺腫瘍では、しばしばリンパ節転移や肺転移が見られます。肺転移は乳腺腫瘍のもっとも怖い進行パターンのひとつです。

女性ホルモンとの関わり

女性ホルモンは乳腺腫瘍に大きな影響を与えると考えられます。若い時に避妊手術をすると乳腺腫瘍が発生しにくくなりますが、それは卵巣摘出により体内の女性ホルモン量が減り、乳腺の発育が抑制されるためです。

女性ホルモンで乳腺が成長するのは既知の事実です。たとえば人に女性ホルモン剤を投与し続ければ胸が張ってくることは広く知られています。もしそのとき乳腺内に腫瘍が存在していれば一緒に増殖・成長します。

食事から女性ホルモンを摂ってしまうこともあるので気をつけましょう。また食事バランスの影響で女性ホルモンの体内分泌量が増えることもありますから、併せてお気をつけ下さい。

例を挙げながらご説明いたします。

乳製品の摂取はできるだけ減らしましょう

人の場合では乳がんと食事の関わりは濃厚です。おそらく犬も同じでしょう。

例えば日本人は欧米人に比べて乳がんの発生率が低いのですが、それは食事の影響と考えられます。日本人であってもハワイに移住すると、乳がんの発生率が上昇するというレポートが有ります。これは乳がんは遺伝的要因よりも生活環境の影響を強く受けることを示しています。

食品の中でも得に乳製品が乳がん発生と深く関わっていると思われます。牛乳には女性ホルモンが含まれていることが公にされています。ご愛犬が女の子ならば牛乳は控えた方が宜しいと思います。牛乳から作られるヨーグルトやチーズもお奨めいたしません。

肥満のリスク

これも人の場合ですが、閉経後の肥満は乳がん発生を促進するという調査結果があります。

閉経を「犬の避妊手術」と置き換えて考えてみましょう。卵巣がなければ女性ホルモン分泌が止まると考えがちですが、実は脂肪細胞からも女性ホルモンが分泌されます。

肥満体、つまり脂肪細胞の多い犬ではリスクが増大すると考えられるのです。

肥満の最大原因は食事です。「腹八分目に医者いらず」は犬にも言えることです。
普段の食事が乳腺腫瘍の発生を抑えられるなら、食事を見直す価値は大いにあるとお考えになることと思います。

カロリーの摂り過ぎもちろんですが、糖分が多めの食事も太りやすいのでお気をつけ下さい。
穀物やポテトを多く使ったドッグフード、白米、玄米、パン、うどんなどを与えていると、食事バランスが糖質に偏ってきます。

乳腺腫瘍の症状

初期症状

初期の乳腺腫瘍にはほとんど症状がありません。症状が現れるのはかなり進行してからです。ですからなんとなく乳腺付近にできものができたけど何も症状が無いから大丈夫とは言えません。

乳腺腫瘍は皮膚の下に発生しますので見た目ではわかりにくいのですが、触れて気づくことがあります。

早期発見するために常日頃からワンちゃんとのスキンシップをして乳腺付近のシコリの有無を指先でチェックしてあげてください。ご愛犬が女の子ならば、ときどき胸からお腹まで撫でながらチェックしてあげてください。

トリマーや獣医師が先に発見することもあります。ですのでベテランのトリマーや経験豊富な獣医師を選んでおくことは早期発見につながります。

末期症状

腫瘍が大きくなったり肺転移の見られる末期の乳腺腫瘍では、さまざまな症状が出てきます。
例えば以下のような症状です。

  1. 腫瘍の自壊(破裂)による症状・・・痛みによる元気低下や食欲減退。出血による貧血症状。腫瘍からの悪臭。
  2. がん細胞数が増えたことによる症状・・・大量のがん細胞が筋肉や脂肪をエネルギー源として使いはじめるために極度にやせ細る。(がん悪液質)
  3. 肺転移による症状・・・咳が増える。呼吸が速くなる・荒くなる。

もしご愛犬の以上に気が付いたら、できるだけ早めに獣医師の診察を受けてください。
そして、診察時には普段の様子についてあらかじめメモなどにまとめておけば、伝え忘れなどが防げると思います。

がん悪液質について

がん悪液質とはがんが進行することによる発現してくる病態です。がん細胞が吐き出す毒(サイトカイン類など)が体の正常さを失わせるために起こります。悪液質になると栄養失調に陥り体力が奪われ続けます。

食事をしっかり食べていても筋肉量が減少し、目に見えて痩せ細ってきます。カロリーの摂取不足は根本的な原因ではありませんので、大量のブドウ糖点滴で対処しようというのは解決法としてはお勧めできません。手術で腫瘍を切除してがん細胞数が減ると症状が改善することがあります。ただし手術に耐えられる十分な体力がないときはリスクがありますので獣医さんと良く相談してください。

良性乳腺腫瘍との見分け方

乳腺腫瘍には良性と悪性(いわゆる乳癌)があります。

良性もシコリを形成するために見た目で区別できないケースが多々あります。飼い主様が良性なのか悪性なのか判断するのは難しいため生検(バイオプシー)で早めに調べることをお勧めいたします。

なかなか消えないシコリは検査を兼ねて手術で切除してしまうほうが安心かもしれません。良性で間違いないのであればレーザーで焼いて蒸散させてしまっても良いでしょう。たとえ良性であっても巨大化してひどい状況になることがあります。

以下のような場合は悪性の可能性が高まります。目安としてお役立てください。

  • 乳首に隣接している。
  • 皮膚の下にできていて、触れた感触が硬い。
  • 大きさが1cm以上ある。
  • 急に成長してきている。
  • 腫瘍の中央が凹んでいる。
  • 自壊している。(皮膚が裂けている。)
  • ゴツゴツしていたり、いびつな形をしている。
  • 前脚もしくは後ろ脚の付け根辺りにもシコリがある。
  • ときどき呼吸が苦しそうだったり、咳をすることがある。
  • 体力が落ちたり、体重が減少してきている。
  • 腹部の皮膚が広域な炎症を起こしている。

凹型について

乳腺腫瘍にかぎらず悪性の腫瘍は中心部にがん細胞の壊死が見られることがあります。腫瘍の大きさに対して血液供給が間に合わないことが原因のひとつです。

腫瘍の成長とともに中心部はどんどん低栄養・低酸素状態陥りますが、周辺部分には十分に栄養が供給されます。その結果シコリが凹型になることがあります。※凸型ならば安心ということではありません。

自壊について

kamo000乳腺腫瘍が成長するとパックリ割れてしまうことがあります。腫瘍の大きさに対して皮膚が伸びきり張り裂けます。

血液の混じった体液が流れ出るようになり、貧血や痛みのために状況は急速に悪化します。自壊した腫瘍から腐敗臭がすることがありますが、壊死した中心部分があらわになることが一因です。腐敗臭に呼び寄せられたハエが卵を産み付けると患部はさらにひどい状況になります。

脚の付根のシコリ

乳腺はリンパ管で結ばれていて、その中をがん細胞が移動します。脚の付け根にはリンパ管の関所とも呼べるリンパ節(せつ)があり、がん細胞は一度そこでせき止められます。そのリンパ節でがん細胞が増殖しシコリを形成したものがリンパ節転移です。脚の付根のリンパ節は体表に近いので、触れてシコリの有無を確認できます。

咳の有無

悪性乳腺腫瘍は肺に転移しやすい癌腫です。肺転移しても必ず咳が出るわけではありませんが、なかなか治まらない咳は危険です。末期症状の可能性があります。

腹部の広域な炎症

がんの周りだけでなく広い範囲に皮膚炎が起こっているとき、炎症性乳がんが疑われます。炎症性乳がんは非常に予後が悪いタイプの乳腺腫瘍で、現在の獣医学では治癒不可能とされるもっとも危険な癌腫です。

動物病院での検査

目的に応じた検査方法があります。

  • おおよその診断を下すための予備検査は、おおまかな治療方針を立てるために行います。
  • 確定診断のための検査は、乳腺腫瘍が良性なのか悪性なのかを確定させる重要な検査です。
  • 転移を調べるための検査は、手術前に転移の有無を調べて治療方針を立てるのに役立てたり、手術後の再発・転移を早めに捉えるために行います。

検査の正確さについて

どのような検査も精度100%ということはありえません。複数の検査、問診、視診、触診を組み合わせて検査精度を高める必要があります。ですので検査精度は病院の設備、獣医師の経験と腕によってかなりの差が出てきます。特に経験がもっとも重要でしょう。

予備検査-細胞診

腫瘍に吸引針を刺して細胞を吸い取り、がん細胞が含まれていないか観察します。ニードルバイオプシーとも呼ばれ、腫瘍切除が不要で手軽な検査です。

検査結果で良性となればコンパクトな切除手術で済んだり、手術が見送られることもあるでしょう。逆に悪性となれば組織診で確定させるか、場合によってはそのまま広域手術の提案となるでしょう。

細胞診の的中率は低め、つまりハズレがよくあります。たまたまがん細胞のない場所から細胞を抜き取る可能性があるためです。そのため細胞診だけでは乳腺腫瘍の確定診断とはなりません。

人間では考えられませんが、犬の場合は悪性の結果が出なくても乳腺を切除してしまうのが一般的です。美容に対する考え方が違うためです。

確定診断のための検査-組織診・病理検査

病理組織検査とは、手術で切除した乳癌(乳腺腫瘍)の組織を詳しく調べる検査です。

腫瘍を切除して観察することで腫瘍の種類、悪性度、広がり方など、多くの情報が得られます。

組織診はもっとも正確な乳腺腫瘍の診断法とされ、検査結果を元にして確定診断がくだされます。また内部構造の乱れ具合から悪性度を知ることも可能です。

腫瘍を切除する必要があるため全身麻酔が必要となり、ある程度のダメージとリスクがあります。

検査と手術を別々に行うと全身麻酔が2回必要となるので、確定せずに切除手術してしまい、その切り取った組織を用いてあとから確定診断をするケースもよくあります。

転移を調べるための検査-レントゲン

kamoxray02レントゲン検査は全身麻酔が不要で、体の内部を比較的簡単に、かつ広域に調べることができます。触診できない深い部分にある腫瘍を見つけ出します。

乳腺腫瘍においては主に肺転移の有無を確認することが目的です。

治療前のレントゲン検査は重要です。もし肺転移が見つかった場合は、すべての乳腺を切除しても完治の見込みはありません。そのようなときは手術を見送ったり、規模の小さな手術にとどめたほうが良いと思われますので獣医師とよくご相談下さい。

より詳しく転移を調べる検査-CT画像診断

CT検査では体を輪切りにしたような断層画像が得られ、レントゲンよりも詳しく体の内部を観察できます。検査範囲は広域です。

レントゲンでは見逃してしまうような小さな腫瘍も映し出しますが、それががん細胞の塊なのかどうかまではわかりません。全身麻酔が必要、放射線被曝量が多い、高額である、といったデメリットもあるため、レントゲンで済むケースならば不要かもしれません。

腫瘍の形を詳しく描き出す検査-MRI画像診断

MRIは体の内部の一部分を詳しく検査します。広い範囲から転移を探す場合には不向きです。放射線ではなく磁気を使用するため被曝の心配はありません。

全身麻酔が必要で高額なのはCTと同様です。

より精度の高い手術を求める場合には有用ですが、通常の乳腺切除やリンパ節切除には不要でしょう。稀に起こる脳転移では検討しても良いでしょう。

一般的な治療

手術

乳腺腫瘍を完治させる可能性のある唯一の治療法が手術です。手術によって短時間で一気にがん細胞を減らすことができます。運が良ければほとんどすべてのがん細胞を切除することができます。

しかしたいていは少量のがん細胞を取り残してしまうのが常で、完璧な手術というものはなかなか難しいのが実情です。

手術方法にはいくつかの選択肢があります。

コンパクトな切除手術

人でいうところの部分切除、縮小手術のニュアンスです。完治を狙わず一部の腫瘍だけを切除するときは姑息(こそく)手術というニュアンスになるでしょう。

狙った腫瘍は全部取り切ります。腫瘍とその周りを少し切除します。後述の広域切除よりもかなりコンパクトな手術で比較的犬に負担をかけません。術後の再発率は高くなりますが、良性の可能性が高いときや大きな手術に耐えられない高齢犬などで有用です。

とはいっても全身麻酔は必要です。

がんを取り残して再発を繰り返す羽目になり結局は大きなダメージを被る恐れがあります。

組織診のために検体が欲しいときも、コンパクトに腫瘍だけを切除することがあります。

広域切除術

可能な限り広く切除する手術は再発率を下げると言われ、コンパクトな手術よりも一般的です。

広域切除術ではまだがんの発生していない乳腺も切除してしまいます。どこまで広く切除するかは動物病院の方針によります。隣接している乳腺までにとどめて切除する手術、片側一列の乳腺を全部切除してしまう手術、そして最大規模の切除手術では両列のすべての乳腺と前後の脚付近にある領域リンパ節まで切除します。

両側乳腺切除術は両側の乳腺を広範囲に切除するため、身体への負担は大きく費用も高くなりますが、何度も再発を繰り返す場合や多発(いくつもの癌が点在している)場合にはこの両側乳腺切除が選択されると思います

片側乳腺切除術は左右どちらか一方の片側一列の乳腺を全て切除する手術です。癌の取り残しリスクも比較的少なく身体の負担も両側切除より少なくなります。

子宮および卵巣摘出

乳腺の切除と同時に子宮と卵巣を摘出することもあります。狙いは女性ホルモンの供給を減らすことによる再発抑制です。

手術の費用・入院期間

上述したように乳腺腫瘍の手術には色々な方法がありますし、日帰り手術や小規模な手術は費用も安く入院期間も短くなります。また癌の状態によって手術の難易度も異なります。

そのため手術費用は入院期間は個々のケースでことなりますが、一般に手術費用は5~40万ほどで、日帰りから1週間程度の入院が必要となるケースもあります。

抗がん剤治療(化学療法)

乳腺腫瘍はあまり抗がん剤が効きません。抗がん剤だけで完治することは極めて稀だと思います。使うとしたら手術後の再発防止が目的です。

前述のとおり手術では常に少量のがん細胞を取り残しますが、その残ったがんを叩き潰すという大義名分のもとに抗がん剤は投与されます。

しかし実際のところ再発防止目的の抗がん剤にどれほどのメリットがあるのでしょうか。例を挙げますのでぜひ皆様もご一緒にお考え下さい。

抗がん剤のメリット

ここに再発率を10%減らせる抗がん剤があるとします。ただしなんらかの副作用が発現する確率はほぼ100%です。

再発率60%の乳腺腫瘍に使うとき、その10%(つまり6%)再発率を低下させる計算です(再発率は54%になる)。これだけを見ると悪くないと考えてしまうでしょうが、続きをしっかりお読みください。

抗癌剤治療を損得で考えるのはいかがかと思いますが、ご理解いただくためにあえて治療を受けることがご愛犬にとって「得」になるのか「損」が大きいのか考えてみたいと思います。

手術後何もしなければ60%の確率で再発するという事は、逆に抗がん剤を使わなくても再発しない犬が40%いるという事です。

この40%のワンちゃん達は抗癌剤治療を受けなくても再発しなかったのですから、手術後に抗癌剤治療を受けたとすると副作用で身体はダメージを受けますし、場合によっては副作用が強く出てしまい命を縮めてしまう可能性もあります。

ですからこの何もしなくても再発しなかった子たちに抗癌剤治療を行った場合は単純に「損」をしたことになります。

抗癌剤治療を受けることで再発率が60%から54%になった場合、54%のワンちゃん達にとっては早めに抗癌剤治療を受け・治療を受けていても再発を防げなかったという事になります。再発してしまえば抗癌剤の種類を変えて抗癌剤治療を続けることになり、抗癌剤の副作用で苦しむ期間が長くなってしまいます。

ですから抗癌剤治療を受けても再発を防げなかった54%の子たちにとっても手術後に抗癌剤治療を受けたことは「損」が大きかったと考えられます。

大雑把に考えても94%のワンちゃん達にとって抗がん剤治療は「得」より「損」の方が大きかったという事になるのです。

抗がん剤は博打と同じで打ってみなくては効果が得られるかわかりません。ですから抗がん剤治療を始める前にご愛犬の年齢や体力、癌の状態などを考慮しこの子に抗癌剤治療は必要か?という事をご家族の皆様で良くお考えいただきたいと思います。

また現在抗がん剤治療中の場合には、副作用のため元気食欲が落ちていないか、その副作用を上回るだけの効果が得られているのかをしっかりとご確認いただき、もし治療効果が不十分だった場合には抗がん剤治療を続けることがご愛犬にとってプラスになるのかを皆様で良くお考えいただきたいと思います。

抗がん剤治療中はワンちゃんだけではなく人へのリスクもあります。そのリスクについては次のページにまとめましたので宜しければご覧ください。抗癌剤の微量被曝‐ペットの治療で、家族が病気になる。

放射線治療

放射線治療は主に大学病院で受けることができます。多くの動物病院には放射線治療の設備がありませんのでどこでも受けられる一般的な治療ではありません。また放射線だけで治療するケースはほとんどないでしょう。たいていは手術後の再発を少しでも減らそうという目的で放射線治療を行います。

人の放射線治療と違い、犬の場合は少ない回数で高用量の放射線を照射します。そのため後遺症の発現率は高くなりやすいと思われます。

乳腺腫瘍とうまう付き合うための知識とアイデア

発症率と再発率を低下させる免疫の働き

ここまでで乳腺腫瘍の一般的な治療は手術がメインで、抗がん剤や放射線治療は補助的なものだとおわかりになったと思います。また手術だけでは完治が難しい事もご理解いただけたと思います。

発症率と再発率を下げるためにカギとなるのは一般的な西洋医学の治療ではありませんもっともっと大切なのは、がんと免疫の関係・免疫を働かせることとです。がん細胞の増殖をもっとも効率的に抑えるのは免疫の働きです。

がんを抑える免疫の働き

我々哺乳類の体内には健康であってもがん細胞が存在しています。驚くことにがん細胞は毎日数百~数千個も発生しています。ただし免疫がしっかりしていれば毎日発生する癌細胞はことごとく破壊されるために増殖することはありません。

免疫は、がん細胞を見つけ出して攻撃し破壊するという仕事を、私たちが意識することなく体内で行っています。免疫が働いているから私たちは癌予防のために抗がん剤を飲む必要がありません。

この免疫システムが正常に働いているならば、そう簡単にはがんになりません。逆に免疫システムに異常があると癌になってしまうリスクが高まります。がん細胞が発生しても癌を見つけることができなかったり、攻撃する力が弱ければ癌の増殖を許してしまい癌は増大し発がんに至ってしまいます。

免疫を高める取り組み

免疫の活性度は些細な事で変動します。

例えば精神状態に大きな影響を受けます。イライラ、不安、恐怖など、交感神経を高ぶらせるストレスは免疫を低下させます。

犬は飼い主の表情をよく見ています。

犬の前で泣いてしまったり悲しい表情を見せてしまうと、ご愛犬はきっと自分が身代わりになってあげたいと考えるでしょう。生きたいという気持ちが低下してしまうかもしれません。

逆にリラックスしているときには免疫活性が高まります。ご愛犬をリラックスさせる上手なスキンシップは立派な治療になりえます。何か治療を受けているならば、その治療効果を引き上げることができます。

よく効く治療だぞ、ぜったい元気になると声掛けしてあげてください。そんなことはプラセボという方もいるかもしれませんが、逆に病は気からという言葉はずっと以前からありますし、多くの方が実感していることではないでしょうか。

人で大笑いして病気を追いだそうとする方々がいらっしゃいますが、非常に理にかなった考え方です。彼らは免疫をコントロールする術をよく知っているのです。ぜひとも参考にしてください。

大笑いしなくてもよいですから、少なくともご愛犬には常に明るく接してあげてください。

他にも良い食事・栄養、良いサプリメントをお与えください。腸内環境も大切です。免疫の働きを高める可能性があります。犬にはドッグフードが最高の食事だと信じきっていると、免疫を引き上げるチャンスを逃すかもしれません。このホームページで提案している食材を試してみてください。

乳腺腫瘍の犬にオススメの食事療法

食事によって私たちや犬の身体は作られています。お食事の見直しは犬の体質改善にも繋がりますし、犬の予後改善にも役立ちます。

免疫力を保てるようなお身体になるよう、日々のお食事をまず見直してみてください。

食事療法の目的は、がんの増殖スピードを低下させ、体力をつけ、貧血やアルブミン値などを改善させることです。弊社では治療のベースとして栄養学的なアプローチを非常に重視しています。

がんが成長するためには糖質(ブドウ糖)が必要です。そのため糖質をできる限り制限していくことは直ぐに始められ、身体への負担もなく、副作用などのリスクもありません。また一方で食事療法はご家庭でご家族の皆様の協力がなければ行うことができません。

魚やお肉、豆腐や納豆などのタンパク質をたっぷりと与えて、その分炭水化物・糖質が多く含まれれているフードの量を減らしていってください。

食事を変えるだけでは癌は治りませんが、悪性リンパ腫の成長に不可欠な糖質を制限することで進行速度を抑えることはできます。フードを与えるだけよりも時間・手間はかかりますが、あまり難しく考えず始めていただければ幸いです。

食事療法のヒント

悪性リンパ腫になったときに是非お勧めしたいのがタンパク質の量を増やし、糖質の量を減らすことです。
ただ食事の準備が大変だと長続きしませんので皆様の手間を少しでも軽減して頂きたく、食材リストを作成いたしました。ぜひご一読ください。
ペットだって医食同源―がんに負けないための食材

その他、お食事のヒントになるような記事も掲載しておりますので、こちらも合わせてご一読ください。
ニュース・コラム

ご愛犬が乳腺腫瘍ならコルディをお勧めします

弊社はご愛犬が乳腺腫瘍(乳癌)を患ったときの免疫対策サプリメント「コルディ」のメーカーです。

私たちのもとには毎日のように乳腺腫瘍のご相談が入ります。そして今まで多くの乳腺腫瘍を患ったワンちゃんに「コルディ」をお飲みいただき、免疫が整い元気食欲がでてきてワンちゃんがワンちゃんらしく生きていくお手伝いをしてきました。

  • 乳腺腫瘍の手術を受けたが再発してしまった
  • 抗癌剤治療を受けてるがぐったりしてしまった
  • 余命宣告を受けてしまった

今の治療がうまくいっていなかったり、身体への負担が大きいと感じていたり、治療は順調だがさらにQOL(生活の質)を良くしたいとお考えなら、弊社のコルディの使用をご検討いただきたいと思います。

犬の乳腺腫瘍の子にコルディを与え長期生存した例や改善例が何例も報告されています。

相談は無料ですので一度お気軽に状況をお聞かせください。

コルディのお問い合わせ、ご注文はこちらから

治療を通して取り組んで頂きたいこと

乳腺腫瘍は難しい病気です。難治性のがんです。

身体に大きな負担をかけて手術しても再発・転移してしまうことは珍しくありません。

抗癌剤が効きやすい癌でもありません。

体力がないのに抗癌剤治療を受けて、副作用のために治療をリタイアするケースも少なくありません。犬は人間ほど副作用が出ないなどと言われますが、本当でしょうか。犬は喋れないため、吐き気やめまい、しびれなどを訴えることができません。また犬の血液検査値の正常範囲のあいまいさも副作用を少なく見せているかもしれません。

「手術後の体力回復や再発リスクを抑えるため」「抗がん剤治療の効果を高めつつ、副作用を軽減させるため」にコルディをご使用いただく事をお勧めします。本来犬に備わっている免疫力や自然治癒力を高めQOL(生活の質)を維持できる可能性が高まります。

若い犬が抗癌剤の副作用に耐えやすいのは、体力や免疫力に余力があるからです。高齢兼ではそうはいきません。

「無治療なら余命は1~2ヶ月」と言われると、つい獣医師にゆだねるしかないと考えてしまいがちですが、飼い主様の取り組みこそが重要なのです。飼い主様の取り組みは治療効果を大きく左右し、予後に影響を与えます。

「抗癌剤治療を受ければ半年、受けなければ1~2ヶ月」と言われたら、それは抗癌剤が良く効いて、副作用も少なかった時に限る話です。

抗癌剤治療を受ければ必ず延命できるのか、副作用で元気がなくなってしまう事は無いのか、効果は必ず得られるのかなど獣医師に確認されてみることをお勧めします。

抗がん剤治療を開始すれば体力・免疫力はほぼ確実に低下してしまいますので、その対策は考えたほうが良いと思います。まずは良い食事を与え、副作用で治療をリタイアしないための体力をつけてください。そして免疫を落とさないようにしてください。

本来は免疫力ががん抑止の主役であり、実は抗がん剤はその補助にすぎないのです。免疫対策に代替療法やサプリメント(コルディ)を検討してください。

さまざまな治療の「いいとこ取り」に可能性があるのです。抗がん剤一本槍では明らかに力不足です。それを補完する治療を組み合わせていくことが大切だと思います。

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犬の癌(がん)克服-癌の原因、種類、食事や治療法、末期症状
乳腺腫瘍での使用例一覧

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