用語解説(免疫、病気、治療)

免疫

動物が体内の異物を排除する仕組み。機能(メカニズム)。

異物というのは自己と異なるもの、すなわちウイルス、病原菌、がん細胞などです。

免疫が低下している状態では、感染症やがんが発症しやすくなり、また悪化しやすくなります。

逆に免疫が過剰に反応してしまうと、花粉に反応して花粉症症状が出たり、自分の組織を攻撃してしまうリウマチなどの病気を引き起こすことがあります。

 

がん(悪性腫瘍)

正常な細胞に異変が起こり、生体のルールに従わずに無秩序に増殖してしまう性質を獲得したものが「がん細胞」です。検査で発見されるほどがん細胞が増えてくると、がんと診断されます。

がん細胞が少ないうちは、検査では見つけることができません。増殖して大きな塊になってくると、健康診断や体調の変化などからがんが疑われるようになり、さらに詳しい検査によりがんと診断されます。

がんの性質のひとつに転移があり、肺や肝臓などの重要な臓器にがんが転移する可能性があります。がんが怖い病気だと言われるのはその為です。

 

良性腫瘍

悪性腫瘍のように正常細胞から発生しますが、比較的増殖スピードが遅く、転移しません。そのため生命を脅かすことはほとんどありません。

とはいっても、大きくなってくると行動の邪魔になったり、正常組織を圧迫することがあります。また悪性と良性の判別を確実に行う必要もあるため、手術で摘出したほうが良い場合も多々あります。

 

ウイルス

細胞よりも遥かに小さい生き物です。感染力を持つものは、動物の細胞内に入り込んで増殖します。

ウイルス感染を治癒させる医薬品はほとんどありません。事実、パルボウイルス、コロナウイルス、狂犬病ウイルス、猫エイズウイルスなどを発症すると有効な医薬品はなく、免疫によってウイルスが排除されることを期待するしかありません。

ウイルスによっては有効なワクチンがありますので、感染しにくくすることができます。ワクチン接種によってウイルスに対する免疫の反応が良くなるため、感染しにくくなるのです。

白血球

血液成分のひとつです。体内に侵入する細菌やウイルスを排除する働きがあります。白血球数の低下は、すなわち免疫力が低下していることを示します。

 

赤血球

血液成分のひとつです。体中の組織に酸素を運搬し、二酸化炭素を回収する働きをもっています。赤血球数の低下により貧血(体内の酸欠状態)が起こりやすくなります。

 

血小板

血液成分のひとつです。血管の傷を塞ぐ働きがあり、出血を止めてくれます。血小板数の低下により出血が起こりやすくなります。鼻血や血便がみられることもありますし、脳血管などの重要な血管からの出血が起こることもあります。

 

抗がん剤

がん細胞を破壊する働きを持った医薬品です。ほとんどの抗がん剤は正常な細胞も破壊してしまいます。そのため副作用の発現率が非常に高く、軽微なものや血液異常などを含めると副作用がほぼ100%発現してしまう抗がん剤もあります。

また耐性という問題があり、徐々に効果が悪くなってしまいます。1回目2回目は良く効いた抗がん剤も5回目6回目になると、あまり効果が得られないといったケースは珍しくありません。そればかりか、成分の蓄積により副作用ばかりが目立つようになってしまうこともあります。

 

抗がん剤による治療は化学療法、ケモと呼ばれます。

 

サプリメント(健康食品)

サプリメントの定義はあいまいですが、健康に役立つことを期待して使用するものうち、医薬品として認可されていないものがサプリメントであると考えてよいでしょう。日本では食品に分類されます。通常は錠、カプセル、粉末、液などの形で提供されます。

ハーブなど自然から得られる食品の中には、栄養補給の域を超え、あきらかに体に有用だと考えられるものがあります。しかし日本は規制が厳しいため、特にヒト用サプリメントは良いものであってもなかなか広く知られることがありません。

ですが動物用サプリメントの場合は、有用であり安全性が高いものであれば、積極的に治療に使っていこうという動物病院は少なくありません。医薬品と比べて副作用リスクが低いことは、場合によっては非常に大きな魅力となります。

ちなみに人間の治療に関わる省庁は厚生労働省、動物の治療に関わるのは農林水産省です。

 

ステージ

ステージが低いほど早期のがんで、ステージが高いほど進行したがんです。通常1~4のステージがあります。

当然ステージ1のほうが治癒率が高く、ステージ4では治癒はほとんど望めません。

 

分化度

がんの悪性度を表します。高分化のがんは悪性度が低く、低分化・未分化のがんは悪性度が高くなります。

正常細胞において分化とは、未熟な細胞が組織に適合した細胞に成熟していくことです。高分化のがんは成熟した正常組織の面影を多く残しています。比較的ゆっくりと増殖・進行する特徴があります。

逆に低分化・未分化のがんは組織の面影をほとんど残していません。増殖が無秩序で速く、進行しやすいのが特徴です。

 

ペットロス症候群

「ペットを失うこと」「ペットと死に別れること」がペットロスです。その事実を受け入れるときに飼い主に生じる病的な精神症状がペットロス症候群です。

不眠、うつ、幻覚、無気力、めまいなどの症状が起こります。

 

虹の橋

ペットの死後をうたった作者不明の詩のタイトルです。その詩の中に「虹の橋」が登場します。

詩の中では、先に死んでしまったペットは虹の橋のたもとで元気に遊びながら楽しく過ごしています。そしていつの日か飼い主とペットは再開し、一緒に虹の橋を渡ります。

 

ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)

強力な消炎作用を持った薬剤です。痒みを抑える効果も高く、皮膚科領域では外用剤として広く用いられています。また免疫抑制作用を利用して、各種アレルギー症状の予防・緩和目的で投与されます。

しかし免疫が低下してしまうと感染症が悪化することがあるので注意が必要です。皮膚炎が起こったとき、古い塗り薬があっても、内容がわからないときは安易に使用しないでください。感染性の皮膚炎にステロイド剤を塗ってしまうと悪化する恐れがあります。また新しい傷に塗ることも控えましょう。

体内でもステロイドは作られています。男性ホルモンとも呼ばれ、主に副腎から分泌されています。ところがステロイド剤を長期間にわたって使用ていると、体内のステロイド分泌量は減ってしまいます。そして急にステロイド剤を中止してしまうと体内ではステロイド不足の状態になってしまいます。外用剤ではあまり問題は起こりませんが、内服薬の場合は慎重に減量しなくてはいけません。