健康

ゴールデン・レトリーバーの寿命と気を付けたい病気

大型犬の中でも人気の高いゴールデン・レトリーバー。
綺麗な金色の被毛と「回収する=retrieve」という英語が名前の由来とされています。

19世紀前のことははっきりと分かっておらず、19世紀後半、スコットランドのトゥイードマス(ツィードマウス)卿がトゥイード・ウォーター・スパニエル(絶滅)と『ヌース』と呼ばれる黄色のレトリーバーをかけ合わせたという説が有力と言われています。

ゴールデンさんの寿命は平均10~12歳
小型犬と比較すると、平均寿命は短い傾向にあります。
これは、大型になることで、股関節や心臓への負担がかかること、基礎代謝が高いことで体に受けるダメージが大きいことが原因と言われています。

しかし、日本で飼育されていたゴールデンさんの最高齢は19歳なのだとか。
日々の生活の見直しをすることで、平均寿命を超えることも期待できます。

ゴールデンさんの特徴

ゴールデンさんは、イギリス系とアメリカ系の2タイプがあります。

・イギリス系の特徴:骨太筋肉質。クリーム色の緩いウェーブがかかった被毛。瞳や鼻は黒。
・アメリカ系の特徴:細身の体。明るい金色~茶色のストレートの被毛。瞳は茶色、鼻は成長に伴い黒⇒茶色に変化。

日本にいるゴールデンさんの多くは、アメリカ系(アメリカンゴールデンレトリーバー)です。

元来、獲物の回収をするために改良された犬種なので、顎と首がよく発達していますし、歯列もとても綺麗です。

明るく温厚、人懐っこい性格で、飼い主にもとても従順です。
頭も良く、社交性もあるため、色々な子と仲良くなれます。
しかし、やんちゃな部分もありますので、しっかりとしつけをすることが重要です。

ゴールデンさんの病気

①股関節形成不全
生まれながらにして股関節の緩みがあるため、成長とともに股関節が亜脱臼(あだっきゅう)が進行し、痛みやモンローウォーク(腰を振りながら歩くこと)、バニーホップ(うさぎのように両足で飛び跳ねること)などが見られます。

一般的に、子犬のころははっきりとした症状を示さず、生後6ヶ月頃から徐々に異常の徴候が見られるようになります。

関節炎に進行すると、成犬時に骨棘(こつきょく:骨が棘状になる)が形成され、変形性関節症となり、歩行異常が見られるようになります。
小型犬よりも大型犬で起きる率が高いですが、それは生後60日の間に急激に体重が増加することで、股関節へ過度のストレスがかかりやすいからだと考えられています。

②リンパ腫 – ゴールデンレトリーバーの寿命に関わる病気
体の免疫をつかさどるリンパ球が癌化する病気で、血液のがんの一種です。
解剖学的には、以下の5種類に分類されます。

・多中心型:体表のリンパ節の腫大
・消化器型:消化管に付属するリンパ節の腫大
・皮膚型:皮膚に腫瘍性の結節や潰瘍。皮膚炎と見間違えることがあります。
・縦隔型(胸腺型):胸腔にある胸腺で腫瘍細胞が増殖。
・節外型:目・中枢神経系・腎臓など、上記4種類以外の場所で腫瘍細胞が増殖。

このうち、犬では80~85%が『多中心型』とされています。

また、リンパ腫は免疫表現型によって、B細胞型とT細胞型に分類されます。
B細胞型はT細胞型と比較して、抗がん剤治療の効果が期待できます。

リンパ腫については、こちらの記事を参照ください。⇒悪性リンパ腫

③骨肉腫 – ゴールデンレトリーバーの寿命に関わる病気
骨の組織が癌化する病気で、大型~超大型犬で多く見られます。
長骨と言って、大腿骨や前腕骨など、足の長い骨にできやすく、特に、前肢の場合には肘から遠い部分、後肢の場合には膝に近い部分にできやすいのが特徴です。
関節への転移は殆どありませんが、肺への転移率は高いです。
中~高齢犬で起こりやすいですが、2歳程度の若齢で起こる場合もあります。

④甲状腺機能低下症
代謝を担う甲状腺ホルモンの分泌が低下・減少することで起こる病気です。
犬の場合、95%以上が甲状腺自体の機能不全で、免疫が関与するものもあります

症状としては、動きたがらない、寒さに弱くなる、食べていないのに肥満になる、毛艶が悪く脱毛が見られるなどが見られます。
皮膚病変は痒みを伴わないのが特徴です。

甲状腺ホルモンの内服薬投与で症状が改善しますが、治療は生涯必要になる場合が多いです。

⑤皮膚病・外耳炎
ゴールデンさんの場合、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)や膿皮症、急性湿性皮膚炎(ホットスポット)がよく見られます。

脂漏性皮膚炎は、マラセチアという酵母によって起こる皮膚炎で、皮膚の赤みやベタつき、外耳炎の併発などが見られます。
マラセチア自体は、健康な子でも皮膚にいる『常在菌』ですが、免疫力の低下や食生活などが原因で、マラセチアが異常増殖することで皮膚炎が起こります。

膿皮症は皮膚に細菌感染が起こった状態で、細菌感染の深度によって表面性・浅在性・深在性の3つに分類されます。
深度が深いものほど症状が重く、治癒までにも時間がかかります。

初期は表面のブツブツや赤み程度ですが、進行していくと痒みや脱毛が進行し、表面がジュクジュクする場合もあります。
主に体幹部(胴体)で起こりますが、幼い子の場合には、おしっこで汚れやすい下腹部などにも見られます。

急性湿性皮膚炎(ホットスポット)は、皮膚が部分的に激しく炎症をおこしている状態です。
炎症部位の被毛は抜け、皮膚は一見何でもないように見えることもあれば、掻き壊して出血して体液と膿でべとべとになっていることもあります。

これは、ゴールデンさん特有のアンダーコートによるものと言われています。
高温多湿の時期や、肥満の子(体内の熱を逃すのが苦手なことに起因します)などで見られやすい皮膚病です。

また、ゴールデンさんは垂れ耳・且つ体温が篭りやすいため、外耳炎に罹る子が少なくありません。
外耳炎が悪化すると中耳炎・内耳炎に進行することもありますし、炎症が持続することで腫瘍化する可能性もあります。

ゴールデンさんが気をつけたいこと

ゴールデンさんが気を付けたいのは体重管理とブラッシングです。

前述したように、股関節形成不全は、体重によって症状が悪化する可能性が高くなります。
また、肥満になることで体の熱を逃がしにくくなりますので、皮膚病にかかる率も高くなります。

定期的に体重測定をすることも大事ですが、難しい場合には、日頃からBCS(ボディ・コンディション・スコア)を目安にして、お食事の量や運動量を調節してあげてください。

※BCS(ボディ・コンディション・スコア)の見方。
①横からウエスト部のくびれ具合を確認します。
②真上から腰のクビレ具合を確認します。
③肋骨部を撫でて、骨が触れるかどうかを確認します。うっすらと手のひらで感じられる程度がベストです。
④ウエスト部分を手で触って確認します。
⑤腰の上のあたりを触って、腰の骨がどのくらい浮き出ているかを確認します。

環境省のパンフレットを参考にしてください⇒『飼い主のためのペットフード・ガイドライン

また、ゴールデンさんは被毛が多いため、体の熱を逃がしにくいだけでなく、湿度もこもりやすいために、皮膚病を患ってしまう子が多くいらっしゃいます。
定期的にブラッシングをすることでアンダーコートを除去でき、体温調節をしやすくすることでストレスを軽減するだけでなく、皮膚への負担も軽くすることが出来ます。

しかし、どんなに気をつけていても、ご年齢に伴う免疫力の低下は避けることが出来ません。
免疫力の低下は、様々な疾病を引き起こしやすくなる要因でもあります。
特に、リンパ腫や骨肉腫などは、免疫力が低下してしまうことで発症リスクが高くなる可能性もあります。

大型犬さんは小型犬さんに比べて寿命が短いですが、免疫力を安定させることで、病気になるリスクを軽減し、寿命を延ばしていくことも出来るかもしれません。

ご愛犬の健やかな生活のために、免疫力をサポートするコルディを取り入れてみてはいかがでしょうか。

免疫を整え健康を維持する

ご愛犬にできるだけ苦しい思いをさせたくないというのは皆様に共通したお考えだと思います。
そのためにも、できるだけペットたちの免疫の免疫を守っていただきたいと思います。

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監修獣医師:林美彩  所属クリニック:chicoどうぶつ診療所

代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。

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