健康
犬や猫の冷え対策。身体を温めて免疫対策
小さい頃『お腹を冷やしちゃダメだよ』と言われた記憶はないでしょうか。
お腹を冷やすと、下痢になってしまったり、なんとなく体が不調に陥ってしまったりしたこと、きっと1回はあると思います。
それは、ワンちゃん・ネコちゃんも同じ。
お腹はとても大事な場所です。
また、お腹以外にも全身が冷えることで、色々な症状を引き起こします。
このページでは、ワンちゃん・ネコちゃんの冷え対策についてお伝えします。
お腹が大事な理由
お腹は、内臓の位置で言うと腸がある部分です。
腸は、食べ物の消化吸収を担っています。
腸がしっかりと働いてくれることで、口から摂取した栄養素を吸収し体内に運搬されることで、体が構成されていきます。
また、腸はリンパ節が沢山集まっているところであり、腸管免疫を担っている大切な臓器です。
腸管免疫は、全身の免疫力の6~7割を司っているため、腸管免疫をしっかり保つことが、全身の免疫力の維持にも役に立つのです。
冷えは大敵
前述した通り、お腹が冷えることによって腸の消化吸収能力が衰えたり、腸管免疫が働きにくくなることで、全身の免疫力が低下することが考えられます。
免疫細胞はお互いに連携を取り合ってがん細胞や病原菌、ウイルスなどを発見・認識・攻撃しますが、この力が低下することで、様々な疾病を引き起こします。
その他、血行が悪くなることで痛みを生じたり(関節炎や椎間板ヘルニアなど)、飲水量が低下することで、膀胱炎や結石症のリスクが高くなります。
膀胱炎や結石症が悪化すると、脱落した膀胱内の細胞や結石が尿道につまり、尿閉塞が起こりますし、本来排出されるはずの毒素が体内に蓄積し、最悪の場合死に至ります。
ご高齢のワンちゃんの場合には、循環が滞ることで前庭疾患(※)がみられることもあります。
つまり、体が冷えてしまうということは、全身状態の悪化を招いてしまう可能性があるということです。
※前庭疾患
耳の奥にある内耳神経の一部である前庭神経に異常が起きて発症する疾患です。
平衡感覚を司っている部分なので、異常が起こると斜頸(首が片側に傾くこと)、まっすぐに歩けない、ぐるぐる回転するなどの症状がみられます。
また、視界が回転することで、食欲不振や嘔吐が見られる場合もあります。
特発性と言って、原因が不明なことが多いですが、冬場に多く見られるため、体の循環障害も関与しているのではないかと考えられます。
冷え対策アイテム
洋服
市販のお洋服も沢山種類がありますが、きちんとお腹の部分も生地で覆われる形のものを選んであげてください。
オスのワンちゃんの場合には、陰部がありますので、お腹が開いているタイプのお洋服の上から、マナーベルトをしてあげてください。
マナーベルトが腹巻き代わりになってくれます。
※おしっこをしたあとは、逆にお腹を冷やしてしまいますので、なるべく早めに取り替えてあげてください。
湯たんぽ
湯たんぽも様々な種類が市販されていますが、お勧めはfashyというドイツ製のシリコン製湯たんぽ。
鉄製は火傷が心配ですし、プラスチックのものはゴツゴツしているため、嫌がる子が多い印象です。
fashyはシリコン製ですのでお身体にもフィットしますし、想像以上に保温性も抜群です。
ワンちゃん・ネコちゃんのベッドの上にfashyを置き、その上からふかふか毛布を置いてあげれば、じんわり温かい快適なベッドになります。
温灸
温灸も色々な方法がありますが、ご自宅で簡単にできるのは、邵氏温灸器(しょうしおんきゅうき)を利用した温灸やペットボトル温灸、また小豆のカイロを用いた温灸などです。
通常の温灸で用いられているのが棒灸と言うものですが、温度調整が難しく、煙が出るため嫌がってしまうワンちゃん・ネコちゃんが多いのですが、これらの問題点が改善されているのが邵氏温灸器です。
持ち手があるので行いやすく、煙も殆ど出ないため、匂いに敏感な子でも安心してお使いいただけます。
ペットボトル温灸は、昨日テレビで取り上げられていたことで広く認識されるようになりました。
ホット専用のペットボトルにお水100mlと80℃程度のお湯200mlを入れたものを、腰回りや足回りなど、体の冷えているところに当ててあげる方法です。
熱いと感じる場合には、タオルなどを巻いて温度調節をしてあげてください。
小豆のカイロは、電子レンジで繰り返し温めて使える優れもの。
小豆は保温保湿効果が高いため、しっとりじんわり温めてくれます。
ワンちゃん・ネコちゃんのベッドに敷いても良いですし、背中や腰などに置いてあげるのもお勧めです。
こちらも低温やけどしないよう、温めすぎた場合にはタオルなどで温度調節をしてあげてください。
小豆カイロはOhana様で取り扱っています。
Ohana様では、オーダーメイドの腹巻きも取り扱っています。
ご自宅で作るのは難しかったり、ちょうどよいサイズが見つからない…という方にはお勧めです。
冷え対策食材
体を温める熱性・温性の食材を取り入れるのも有効です。
<体を温める食材>
しょうが、シソ、シナモン、かぼちゃ、羊肉、鶏肉、サケ、エビ、栗、もち米など…
この中で、腫瘍を患っている子は「かぼちゃ」「栗」「もち米」は炭水化物が多いので、使用は控えてください。
ワンちゃん・ネコちゃんはしっかりとタンパク質を摂っていただきたいので、羊肉や鶏肉、鮭などは使いやすい食材です。
お肉の場合、骨付きのものを圧力鍋で煮ていただくことで、滋養強壮に役立つ骨スープが完成します。
スープを与える際には、一度冷やし固めて、白く浮いた脂を取り除いたものを、再び温めて与えてあげてください。
やや刺激があるしょうがやシソ、シナモンは薬味として、少量取り入れる程度にしてください。
また、どんなに体を温める食材を使って作っても、冷えたお食事を与えては効果半減です。
人肌程度に温めることによって、体内も温まるだけでなく、消化酵素が働きやすい温度になることから胃腸の負担を軽くすることが出来ます。
電子レンジでの温めでは栄養素が壊れてしまいますので、湯煎などで温めてあげることをお勧めします。
その他、足の曲げ伸ばしをしたり、肉球や筋肉を揉むことでも、血流が促進され、体温を上げることが出来ます。
元気にお散歩ができるワンちゃんや、ご自宅の中でのキャットタワーなどで運動できるネコちゃんであれば、疲労を蓄積させないためのマッサージを、
寝たきりだったりご年齢的にあまり動かない子の場合には、関節が固まってしまわないように曲げ伸ばしを行ったり、筋肉を刺激してあげるマッサージを取り入れてみてください。
冬にしっかりケアをするかしないかで、春を穏やかに過ごせるかどうかが変わってきます。
ご自宅でできるところから、少しずつ取り入れてみてください。
免疫を整え健康を維持する
ご愛犬やご愛猫にできるだけ苦しい思いをさせたくないというのは皆様に共通したお考えだと思います。
そのためにも、できるだけペットたちの免疫の免疫を守っていただきたいと思います。
コルディは多くの犬や猫の健康維持にご愛用頂いています。使用例も多数あります。
詳しくはお問い合わせください。
監修獣医師:林美彩 所属クリニック:chicoどうぶつ診療所
代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。