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CBDについて

ここ数年、巷でも話題となっている『CBD』。
CBDとは、Cannnabidiol(カンナビジオール)の略称で、CBD(カンナビジオール)はヘンプ(大麻草)の茎や種子から抽出される天然成分フィトカンナビノイドの1つです。

私たち人間だけでなく、犬や猫には、健康を保つためにECS(エンドカンナビノイドシステム)というシステムが備わっています。

このシステムに関与するホルモンを『カンナビノイド』と呼びますが、このカンナビノイドは、ストレスや老化によって減少=『カンナビノイド欠乏症』となることで、体に様々な不調をきたしてしまいます。

 

<カンナビノイド欠乏症の原因>
・遺伝
・偏った食事
・運動
・睡眠の質の低下(短い睡眠など)
・薬の飲みすぎ
・慢性的なストレス

 

<カンナビノイド欠乏症が疑われる主な症状>
・無駄吠え、おびえ
・落ち着きがない
・元気がない
・なかなか眠らない
・痛み
・関節トラブル
・皮膚トラブル

このカンナビノイドを補うものとして『CBD』が挙げられます。
CBDがECSに作用することで、恒常性が働き、体の内側から健康状態を保ってくれる、つまりは心身ともに『本来あるべき状態に整えてくれる』ものがCBDであるとも言えます。

 

 

【CBDとTHCの違い】
ヘンプには100種類以上のフィトカンナビノイド成分が含まれています。
このフィトカンナビノイドは、大別するとCBDとTHC(テトラヒドロカンナビノール)の2種が存在します。

CBDはヘンプの茎や種子から抽出される成分で脳に働きかけ、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質に対して反応し、鎮静化作用、ストレス緩和に役立ちます。
依存性、中毒性はなく、深いリラックス作用が得られるのが特徴です。
1,000論文以上の研究が行われており、その研究では、様々な症状に効果がある事が明らかにされつつ、海外では医薬品として利用されています。

一方、THCは、ヘンプの花、穂、葉、根から抽出される成分で、精神に働きかけます。
吸引すると「ハイ」になるといった精神作用を引き起こし、依存性、中毒性があるため、使用することは法律で禁止されています。

粗悪なCBD製品には、ごくわずかなTHCが含まれているものもあり、知らなかったとはいえ、その製品を使っていれば違法となりますので、各メーカーに問い合わせをしたり、ご自身で安心、安全性を確認されることをお勧めいたします。

 

 

【CBDの製法による違い】
CBD原料にはその製造方法の違いにより①フルスペクトラム、②ブロードスペクトラム、③アイソレートの3種類があります。

 

①フルスペクトラム
もっとも自然に近い成分ですがTHCを微量含んでいる可能性があり、日本では規制されています。

 

②ブロードスペクトラム、フルスペクトラム
THC以外のカンナビノイドや、テルペン、フラボノイドなどが複合的に含まれているので、より薬効範囲が広いと言われています。
それぞれの成分の相互作用によって、より高い効果が出る=『アントラージュ効果』が期待できる形態と言われています。
ペット用CBDのメーカーでもCANNNIMAL(カンニマル社)製品は、このブロードスペクトラムのタイプになります。

 

③アイソレート
THCを全く含まないため、日本で輸入されているメインのものがこれになります。
100種類以上あるカンナビノイド成分から単一のカンナビノイド成分のみを抽出してココナツオイルなどに溶かしたものを「アイソレート」といい、CBD単体、又はCBG、CBNなどいくつかのアイソレートした成分を組み合わせたオイルを組み合わせたものです。

 

【CBDに期待できる効果】
CBDに含まれるカンナビノイドを体内に取り入れることで、ECSの働きを整えることが期待でき、様々な不調のケアを行うことが期待できます。

海外の論文では以下のような症状への適用の可能性が報告されています。

・不安状態の緩和、不安行動の減少
・神経症の軽減:抗けいれん作用、てんかん症状の軽減、神経保護、神経変性性疾患
・脳虚血(脳へ供給される血液と酸素の減少)
・心筋虚血(心筋へ供給される血液と酸素の減少)
・炎症
・皮膚乾癬
・炎症性腸炎
・関節炎とそれに伴う疼痛
・炎症の抑制(サイトカイン放出抑制による)
・嘔吐:化学療法に伴う嘔吐、乗り物酔い
・1型糖尿病、糖尿病性網膜症
・骨折治癒促進・骨再生
・癌細胞:アポトーシスの誘導、癌細胞増殖抑制、転移抑制・低減、抗がん剤の副作用の軽減
・腎臓保護(抗がん剤治療に使われるシスプラチンは腎臓に非常に有毒である)
・薬剤耐性菌の活性抑制

(出典:Izzo, et al. “Non-psychotropic plant cannabinoids: new therapeutic opportunities from an ancient herb.” Trends in pharmacological sciences 30.10 (2009): 515-527.)

 

どのような体質の子にも必ず効果を発揮するとはお伝えできませんが、
・なんとなく起きている不調をケアしてあげたい
・あまり多くの薬を使いたくない
・現在の治療で行き詰ってしまっていて、他に何か方法を探している
・ストレスを和らげてあげたい
といったお悩みを抱えていらっしゃる場合には、是非一度お試しいただきたい代替療法です。