健康
ペットのがんの真実と、自宅で始める工夫
このページは、みなさまにペットのがんの真実を知っていただき、最終的にはがん治療の質を高めて頂くことを目的に作成しました。
少々ネガティブな情報もありますが、正しい治療選択のためには必要かと思います。なぜなら動物病院からの説明は、良い情報に偏る傾向があるためです。
できるだけ簡潔にまとめるため、詳しい内容は別ページで解説している箇所があります。文中のリンクをご利用ください。
ペットのがんの概要
体の中に異常な細胞、すなわちがん細胞が大量発生した状態、それががんです。ご愛犬やご愛猫ががんと診断される頃のがん細胞の数は、おそらく数千万個~数十億個にもなります。
がんの種類
ペットにはさまざまながんが発生します。
早期がん
進行がん
末期がん
ペットのがんは、かなり進行してから見つかることがほとんどです。呼吸が苦しくて気がついたり、脾臓が破裂して気がついたりと、
ペットのがんの実情
ペットのがんの状況は危機的です。日本におけるペットのがん発生率は異常であり、実に50%以上の犬猫ががんを経験します。犬1000万頭のうち、500万頭以上ががんになります。
世界中でがんの研究は進んでいるものの、動物のがん治療は根本的に進歩していません。がんの死亡率は極めて高いままです。がんを患った多くの犬猫たちは、治療を受ける受けないに関わらず他界しています。これが実情です。
がんの発生率は減るどころか逆に増え続けており、がんは日本のペットの死因の第一位となってしまいました。歯止めはかかっておらず、非常にまずい状況です。
今のままの獣医療が変わらなければ、近いうちにさらに悲惨な状況に陥るでしょう。がん発生率60%~70%も十分に考えられる数字です。つまり3頭に2頭ががんを患うという、目を覆いたくなる状況です。
がんの特徴
がんにはいくつかの特徴があります。際限なく増殖するという特徴もそのひとつです。増殖したがん細胞が内臓を侵したり、栄養を大量に奪い、動物は衰弱していきます。これは典型的ながんの進行パターンです。
がん細胞には不死という特徴もあります。そのため通常は自然治癒を望めません。(工夫が必要です。)
がん細胞のとめどない増殖には、ある重要な細胞が関わっています。がん幹細胞です。
がん幹細胞はがん細胞の親玉であり、黒幕的な存在です。若いがん細胞を生み続け、がんを成長させています。そしてがん治療に強い抵抗性を示すため、現在普及している一般的ながん治療では叩くことができません。
がん幹細胞についての詳細はこちらのページをご参照ください。
がんが怖い理由
がんが怖いのは致死率が高く、しかも治療が難しいためです。がんは次のような手段で動物たちの命を奪います。
- 体内の栄養を奪い、栄養失調を引き起こす。
- 肺や肝臓、脳などの大切な臓器をむしばむ。
- 腸や胆管などの大切な管を塞ぐ。
- 毒素を放出し、体の機能を狂わせる。
一般的に、がんになってあっという間に死んでしまうケースは稀です。おだやかに衰弱していくことも少なくなく、老衰に似通った部分があります。
中には早く他界してしまう犬や猫もいますが、それは肺転移や脾臓破裂など、かなり進行した末期がんとして発見されているためです。
むしろ「がん」そのものより、「がん治療」で怖い思いをすることが少なくありません。がん治療の危険性は、他の病気治療とは比較にならないほど高く、たいてい命がけの治療となります。高齢ペットや衰弱しつつあるときはなおさらです。
「見た目はがんとは思えないくらい元気だった。散歩も行けたし、食欲もあった。なのに治療を受けてから一気に調子が悪くなってしまった・・・。」このようなケースはけして珍しいことではありません。
治療が命にかかわるのは、おおむね次のようなことです。
- 麻酔事故
- 手術の失敗
- 手術後の出血、感染症
- 抗がん剤によるアレルギーショック
- 抗がん剤の蓄積毒性(血液毒性、肝毒性、腎毒性)
- 抗がん剤治療による栄養失調(味覚障害、食欲不振、吐き気、下痢などによる)
「人間と違って、犬や猫には抗がん剤の副作用が出にくい。だからあまり心配しなくていい。」としばしば聞くことがありますが、私はそうは思いません。犬や猫たちは次のような症状が出ていても、声に出して訴えることができません。たとえば吐き気、肉球のしびれ、味覚の変化、だるさ、めまい、動悸などです。
抗がん剤の副作用は軽度だからといって無視することはできません。人間ならただちに減量や中止などの適切な対処を受けられる副作用も、犬や猫たちでは気が付かずに放置されがちです。
お時間のある方は、こちらをご参照ください。
抗がん剤が危険な理由はまだ他にもあります。薬剤師の視点から書いたページがあります。日本においてはタブー視されている感もありますが、いつか社会的な問題となるでしょう。
動物病院と治療方針を決めるときの留意点
ここまでがんという病気について説明しました。重要なことに絞って、できるだけわかりやすく簡単に説明したつもりです。
ところでこのような情報提供はインフォームド・コンセントと呼ばれ、本来は治療を施す動物病院の役割です。がん治療は得られるメリットに対して、相応の大きなデメリットがあるため、インフォームド・コンセントは特に重要です。
わからないことがあれば納得できるまでとことん聞き、良いことばかりではなく、厳しいことにもしっかり耳を傾ける勇気が必要です。
そうしないと期待と実際の結果に大きな隔たりができてしまい、治療を受けたことを後悔してしまうからです。
毎日飼い主様からの相談を受けていると、事前の説明が不十分だと思えるケースに遭遇することがあります。説明が難しすぎて飼い主様が理解できなかったケースもあるでしょうが、それは飼い主様のせいではありません。
どうも一部の動物病院では不適切な説明があるようです。メリットが強調された説明です。説明を受けた飼い主様は、現実と乖離した過度な期待を抱いてしまっています。
高すぎる期待に対して結果がついてこないため、治療を受けてから後悔する飼い主様が後を絶たないのです。
辛い治療に耐えてきたうえに、後悔を伴うとしたら、いったい何のための治療でしょう。
治療を受けるにあたって希望を持つことはとても大切です。ただし冷静な判断力が失われていると治療の選択を誤ります。ほとんどメリットがないイチかバチかの治療や、不本意だった治療提示にさえ同意してしまうかもしれません。
説明で「治る可能性がある」「この治療で2年も生存した子がいる」「弱い抗がん剤だから大丈夫」などと聞かされると、しばしば他のネガティブな説明が耳に入らなくなります。特に危険性の説明に専門用語などが含まれていると、その部分を省いて記憶してしまうものです。
治療説明の中で登場する良い症例は、幸運が重なったときの珍しい事例です。厳しい説明を聞くのは辛いかもしれませんが、デメリットもしっかり記憶してください。
とても良い症例を教えてもらったのでしたら、勇気を出して手術や抗がん剤でもっともひどい目にあった症例も聞いてみてください。後で悔やむことを考えたら、先に聞いておいたほうが絶対に良いです。
説明を受けるときはメモを取ったり、スマートフォンに録音すると良いでしょう。難解な説明部分を家に帰ってからじっくり調べるためです。
がん治療の現実は厳しいものです。一般的ながん治療だけでは、そうそう奇跡的な結果は得られません。どうしても工夫が必要です。
自宅で始める工夫が、治療の質を変える
ここまで辛い情報ばかりを書いてきましたが、ここからは前向きな情報です。
ちょっとした工夫でがん治療の質を高めることができます。事実です。動物病院の治療だけでは限界があるのはあきらかです。飼い主様にプラスαの工夫をお願いしたく存じます。宣告された余命を超える、長生きのための工夫です。悔いのない治療は実現できます。
やっていただきたいのは特に難しいことではありません。安全かつ簡単な方法で、自宅で始めることができます。目的は体力と免疫力の充実です。
体力の有る無しで治療の成績は大きく変わります。抗がん剤の副作用や、手術の後遺症の程度も大きく変わります。これも間違いのない事実です。忘れずにいてください。
体力をつけるために栄養の与え方、すなわち食事を見直しましょう。がんへの栄養供給を減らすことも可能です。いつまでもドッグフードやキャットフードが最高の食事だと信じていると、なかなか治療の質は高まりません。
市販のフードが優れいているのは、手軽という点だけです。
体力が充実してくると、免疫の働きもじわじわ良くなってきます。
正常な免疫には、がんを抑える働きがあります。免疫ならば、がん幹細胞が吐き出すがん細胞を、持続的に排除することが可能です。
CTやMRIでもわからなかった、がん幹細胞の位置を探し出し、駆逐する可能性すら秘めています。しかも副作用はありませんので積極的に免疫の力を利用されてください。
免疫を整え健康を維持する
ご愛犬やご愛猫にできるだけ苦しい思いをさせたくないというのは皆様に共通したお考えだと思います。
そのためにも、できるだけペットたちの免疫を守っていただきたいと思います。
コルディは多くの犬や猫の健康維持にご愛用頂いています。使用例も多数あります。
詳しくはお問い合わせください。
代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。