食事

手作り食のサポート~ビール酵母~

手作り食や半手作り食をされている方からのご相談で、ミネラル・ビタミンが足りているか不安だというお声をいただきます。
特に、ネコちゃんはお野菜を食べてくれないというお声も多く、ミネラル・ビタミンの補給に悩まれているようです。

現在は、こういった手作り食の補助となる、お野菜を粉末状にしたサプリメント類も多く販売されていますし、弊社でのボタニックグリーンという非加熱の青汁を取り扱っております。
ただ、まずは身近にあるもので…という事で、弊社では「ビール酵母」をお勧めしています。
ドラッグストアでも簡単に手に入る「ビール酵母」。
今回はビール酵母についてまとめていきたいと思います。

ビール酵母とは

ビール酵母とは、その名の通り、ビールを製造する時に必要な微生物(=酵母)のことを指しています。
ビールは大麦から作られた麦芽汁に酵母を加えて発酵させることで作られます。
麦汁に加えられた酵母は、この麦汁の栄養分を吸収することで増殖するため、発酵が終わる頃には栄養分を沢山含んだ状態で沈殿し、上澄み液は濾過されてビールとなります。
この沈殿した酵母を洗浄、不純物を除去し、高温短時間で乾燥させたものが、ビール酵母です。

ビール酵母に含まれている栄養

ビール酵母には、人の必須アミノ酸9種類全てを含有しているだけでなく、それ以外にもビタミンB群をはじめ、ミネラル、アミノ酸、核酸、食物繊維など、たくさんの栄養素が詰まっています。
※ワンちゃんの必須アミノ酸は人の必須アミノ酸+アルギニンの10種類、ネコちゃんの必須アミノ酸はワンちゃんの必須アミノ酸+タウリンの11種類です。
特に、ビタミンB群を豊富に含むため、エネルギー供給や新陳代謝の活性化から、免疫力を高めることにも繋がります。

栄養価が高いため、ドライフードに含まれていることもあります。

Asahiのエビオス錠の場合、ビタミン9種、アミノ酸18種、ミネラル9種、核酸2種、グルタチオン、食物繊維の計40種の天然素材由来の栄養成分が含まれています。

ビール酵母の効能

エビオス錠のホームページでは、胃腸の働きのサポート(食欲増強や便秘・下痢の改善)、不足しがちな栄養素の補給、必須アミノ酸の補給と記されていますが、それ以外にも沢山の効能が期待出来ます。

・肝機能のサポート:ビタミンB群
・代謝機能促進:ビタミンB群
・疲労回復:ビタミンB群
・皮膚炎・脱毛:ビタミンB群、核酸、グルタチオン(アミノ酸)
・アンチエイジング:核酸
・デトックス(解毒):グルタチオン(アミノ酸)

その他、腸内細菌を増やす効果もあるため、腸内環境が整うことで腸管免疫の正常化→全身免疫力の正常化が期待できます。
また、ビール酵母に含まれている硫黄の成分により、ダニやノミが付きにくくなったという報告もあるそうです

投与量

人での摂取量は1日30錠(1回10錠、1日3回)程度のようですが、ワンちゃん・ネコちゃんに与える場合には以下を目安にしてみてください。

・5kg以下:2~4錠
・10kg以下:4~6錠
・20kg以下:6~8錠

これらは一日投与量ですので、2~3回程度に分けて与えてあげてください。
ただ、これはあくまでも目安です。体質によって合う合わないもありますので、まずは少量から始めてみて、ご体調を見ながら量を調節してみてください。

 

私たちも毎日の食事で完璧な栄養バランスを保てている方は少ないかと思いますが、ワンちゃん・ネコちゃんの手作り食でも同様のことが言えると思います。
そして、全てを手作り食で補おうとすると、細かな計算で頭が一杯になってしまい、長く続かないことがほとんどです。
基本となるタンパク質とお野菜などの割合でお食事を作っていただいたところに、サプリメントで栄養素を底上げしてあげるのも一つの手だと考えています。
特に、ビール酵母(エビオス錠)の場合は、人間が利用できるものですので、飼い主様も一緒にご利用いただくことが可能ですし、添加物等を使用していないため、安心してお使いいただくことが出来ます。

是非、ワンちゃん・ネコちゃんだけでなく、飼い主様ご自身の栄養補給にもご利用いただいてみては如何でしょうか。

※その他人間用サプリメントをワンちゃん・ネコちゃんに与えている飼い主様もいらっしゃるかと思います。
問題ないのケースもありますが、中にはワンちゃん・ネコちゃんでは摂取することで命を脅かしてしまう場合もありますので、ご使用の際はメーカー様にお問合わせの上、ご利用ください。

監修獣医師:林美彩  所属クリニック:chicoどうぶつ診療所

代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。