用語の説明

セカンドオピニオンについて

巷でもよく耳にするようになった「セカンドオピニオン」という言葉。
医療を受けるうえで、とても大切な考え方です。

しかし、「セカンドオピニオン」の本来の意味を間違って捉えている方がいらっしゃるのも事実。

このページではセカンドオピニオンの本来の意味を含めてお話したいと思います。

セカンドオピニオンとは

セカンドオピニオン=second opinion は第二の意見と言われるように、最初に診察を行った病院や主治医の意見(ファーストオピニオン)を踏まえたうえで、他の病院や主治医以外の意見を聞くことを指します。

主治医以外の話を聞くことで、現在の治療法が適切なのかどうか、別の治療法やその子にあった治療法が他にないのかなど、その子にとって最善だと思える治療を選択する1つの方法です。

しかし、このセカンドオピニオンという言葉の意味を間違えて捉えてしまっていることで一歩踏み出せなかったり、主治医側がセカンドオピニオンを許してくれないなど、いろいろと問題が生じてしまっているのも事実です。

転院・転医と同義ではない

セカンドオピニオンの意味を正しく理解していない・プライドが高い先生の場合には、他の先生に意見を求めることを良しとしなかったり、セカンドオピニオンを申し出ると転院・転医を薦められてしまうというケースも多々あります。

しかし、セカンドオピニオンはあくまでも「第二の意見」であり、「主治医とともに治療を選択する」というのが前提となるため、主治医ありきの話なのです。
つまり、転院や転医とは意味合いが違うということを主治医の先生がしっかりごご理解いただいているかどうかも、とても重要なのかもしれません。

ちなみに、海外ではセカンドオピニオンという考え方は主流になっており、診察後にセカンドオピニオンを受けるかどうかと問われることがほとんどだそうです。
これは、インフォームドコンセント(説明と同意)がしっかり行われているからこそ成り立っているわけですが、日本国内ではインフォームドコンセントが不十分である場合が多いようです。

インフォームドコンセントがしっかりなされるという事は、医師と患者(獣医師と飼い主様)お互いの信頼関係がしっかり成り立つことにもなりますし、治療法の決定権は患者(飼い主様)であるという事を医師(獣医師)がしっかりと理解しているという事でもあります。

セカンドオピニオンを受けるときのポイント

ただ闇雲にセカンドオピニオンを受けても、得られるものは少ないのではないでしょうか。
折角セカンドオピニオンで意見を仰ぐのですから、受ける側としてもしっかりとした意志をもって受けましょう。

1. セカンドオピニオンの目的を明確に。
何となく受けてみよう。という感覚ではセカンドオピニオンを受ける意味がありません。
どうしてセカンドオピニオンを受けてみようと思ったのか、その目的を明確にしてこそ、セカンドオピニオンを受ける意義があるのです。

 

2. 病気について勉強する。
専門知識がないからわからないと諦めるのではなく、本やインターネットなどを使ってある程度の知識を身につけておきましょう。
ただし、間違った情報もあったりしますので、全てを鵜呑みにするのではなく、メモなどにまとめておいて、その知識が正しいのか間違っているのかを、セカンドオピニオンで伺ってみるのも一つの方法だと思います。

 

3. 主治医とは違う視点を持った医師(獣医師)の話を聞く。
同じ視点を持った医師(獣医師)から話を聞いても、新たな治療法は出てきません。
別の視点・角度から検査結果を見てくださる医師(獣医師)や、代替療法など、一般の治療法とは違う治療法を行っている医師(獣医師)から話を聞くと良いかもしれません。

 

4.できる限り多くのデータを主治医にもらう。
可能な限りデータを持参することで、再検査が不要になり、時間の短縮や再検査にかかる費用やストレスなどを減らすことが可能です。
特に、猫ちゃんはストレス不耐性の子が多いため、検査によるストレスの軽減は免疫力の安定にもつながります。

 

5.聞きたいことを事前にまとめておく。
いざセカンドオピニオンを受けても、聞きたいことを忘れてしまうのは勿体ないですよね。
新しい場所に行くときには多少なりとも緊張状態になりますので、普段とは違う精神状態になります。
不安に思っていることや判断がつかないことなど、事前に聞きたいことをメモにまとめておきましょう。

 

6.セカンドオピニオンを受けた後の情報をまとめ、主治医の考え方を聞く
セカンドオピニオンを受けた後、別の医師(獣医師)からの話をしっかりとまとめておきましょう。
次回、主治医で診察をした際、その話をもとに治療法を再検討することができます。

 

7.主治医の意見を聞いたうえで、どちらが最良か治療する病院・医師(獣医師)・治療法を決定する。
主治医による治療なのか、セカンドオピニオンによる治療なのか、どちらが我が子にとって良い治療なのかを決定しましょう。
毎日一緒に過ごしてきているご家族こそが、ペットにとって一番の主治医です。
どちらの治療法を選んでも、飼い主様が悩んで選び抜いた治療法こそが最善の選択肢なのです。

 

家や車など、高い買い物をする際に即決する方は少なく、ほとんどの方が資料を集めたり話を聞いたりして吟味したうえで決定・購入されると思います。
しかし、病気のことになると、「主治医が決めたことだから」と即決される方も少なくないのではないでしょうか。
もちろん、主治医と飼い主様の信頼関係あってこその治療ではありますが、その治療法が本当に我が子のためなのか、他に治療法がないのかを考えてみてください。
お金では買えない命の問題だからこそ、専門家任せにするのではなく、飼い主様ご自身でも病気についての資料・知識の構築は必要不可欠だと感じています。

是非大切な我が子のために、セカンドオピニオンを受けてみてはいかがでしょうか。