食事

がん予防にも低炭水化物

低炭水化物食はダイエット方法としてすっかり有名になりましたが、健康を得るためにも非常に役立つ食事方法です。

私たちはがん食事療法としても低炭水化物食は有効だと考えています。

ワンちゃんやネコちゃんの癌は非常に致死率の高い病気であり、蔓延しています。そして今後しばらく増加し続けると予想されます。またがん治療成績の飛躍的な向上も期待できません。そのため癌にならないための食事療法、癌治療にプラスになる食事療法に飼い主さんたちの関心が集まってきています。

なお、がんを食事で防ぐという考えは以前からありますが、その内容は新しい発見とともに少しずつアップデートされています。

低炭水化物食(低糖質食)にする・ブドウ糖はがんのエサ

みなさんは「がんはブドウ糖を好む」「ブドウ糖ががんの餌だ」と聞いたことがありますか?それは正しい情報です。

がん細胞は正常細胞よりもはるかに高速に分裂増殖して、腫瘍を成長させたり転移巣を増やします。そのために大量のエネルギーを必要としますが、そのエネルギー源がブドウ糖なのです。

また、がん細胞は正常細胞に比べ、ブドウ糖の取り込みが何倍も早いのです。

それ故、血液中にブドウ糖が潤沢にある状態、すなわち高血糖状態はがんにとっては都合の良い環境となります。

それを逆手に取ったのが低炭水化物食です。がんへのエネルギー供給を減らし、その活動を鎮めることを狙います。

炭水化物の多い食事は血糖値を急上昇させます。それに対応して膵臓からインスリンが分泌され血糖値を下げますが、炭水化物食はどうしてもインスリンを過剰分泌させやすく血糖値を下げ過ぎてしまいます。血糖値をグラフにすれば大きな波を描きます。血糖値の下がり過ぎにより強い空腹感が訪れ、それを満たすために間食で甘いもの(糖質)を摂ってしまうのは、人間の場合によくあるパターンです。

※炭水化物には、糖質だけでなく食物繊維も含まれます。食べてもブドウ糖にならない食物繊維を制限する必要はありません。このページでは馴染みやすい低炭水化物食という言葉を使っていますが、糖質制限食のことです。

カロリー摂取量が不足しない?

あとで述べますが、タンパク質は制限しません。脂質も摂りますので、極端なカロリー不足にはなりません。

なおカロリーは少しくらい不足していて問題ありません。しっかり推奨カロリーを摂らなくては元気にならない、力が入らない、寿命が縮むという古典的な考え方は捨ててもらって構いません。推奨カロリーを下回り続けたからといって、病気が増加したり不健康になるということはないのです。むしろ現実に問題になっているのはカロリー過多の食生活です。

そもそも推奨カロリーの設定値自体がいい加減です。推奨カロリーに満たない食生活を続けていながら元気に過ごしている人は世界に数億人はいるでしょう。カロリー至上主義な考え方で彼らの存在を説明することはできません。

体に悪くない?脳への影響は?

極端な低血糖状態などの異常がなければ、炭水化物の摂取量を減らすことは体に悪くありません。

体に蓄積されている脂肪ですが、そこからブドウ糖が供給されます。絶食中も血糖値が維持されるのはそのためです。ですのでブドウ糖を活動エネルギー源とする脳に悪影響が及ぶといった心配はありません。

むしろ血糖値の大きな変動を脳は嫌いますから、安定してブドウ糖を供給してくれる低炭水化物食は脳にとって好ましい食事だと言えるでしょう。

糖尿病治療中のとき

低炭水化物食によって血糖値が安定するので、もし糖尿病治療でインスリン注などの薬物治療をしている場合は減薬が必要になってきます。食事療法を開始することを先に獣医師に申し出てください。

腎臓病のとき

タンパク質の摂り過ぎは腎臓を悪くするとの報告があります。そのような時でも摂り過ぎはだめですが、毎日必要量を摂取しなくてはなりません。なぜなら身体を構成しているタンパク質は組み替えられ、ロス分が毎日排泄されてしまうからです。その分のタンパク質を補わなくてはなりません。なおどんなに炭水化物を摂っても、タンパク質の代わりにはなりません。

※腎臓疾患の原因に糖尿病があります。高血糖状態の改善は重要な取り組みになります。糖尿病は甘いモノを食べてはいけないことはみなさんご存知でしょうが、甘い甘くないに関わらず炭水化物を減らすことが重要です。

完全な糖質制限は無理では?

糖質ゼロの食事は無理です。肉にも卵にも野菜にも糖質は含まれるからです。圧倒的に炭水化物が多いの穀物(白米、玄米、小麦粉など)を徹底して制限しましょう。

ドライフードの選び方

成分表示を見てタンパク質の量が多いフードを選ぶと良いでしょう。

ただし高タンパク質フードと書かれていても、製品によって結構差があります。パッケージの裏面などに成分表示があるはずですので、タンパク質含有量の高いものを選んでください。

ドッグフードであれば最低でも30%以上、キャットフードであれば最低でも35%以上のタンパク質を含むものを選んでください。

※炭水化物量については表示義務がないために、ほとんどのフードは表示していません。

体重が落ちてきたが大丈夫か?

タンパク質をしっかり摂取することで、体に筋肉がつきます。その筋肉がしっかり働くことで代謝が上がり、結果的に体の不必要な脂肪を燃焼させ、引き締まった体をつくり上げることが出来ます。
適正量であれば、糖質を制限しても、ある一定ラインの体重、その子にとっての「適正体重」で体重減少は止まります。

急激に減っている場合は、お食事量が足りていない可能性がありますので、胃腸に負担をかけないよう、少しずつ与える量を増やして行ってください。

否定的な意見について

・低炭水化物食を6ヶ月続けると体重が落ちるが、1年続けると差がなくなる。
・高たんぱく質の食事は、高炭水化物の食事に比べて半年でインスリン抵抗性が高くなる。
・糖尿病患者に対しての2年間の比較では低炭水化物ダイエットと高炭水化物ダイエットでの体重減少、HbA1cに差がなかった。

中途半端な低炭水化物食では良い結果が得られません。またタンパク質を増やすとき動物性脂肪の摂取量をあまり増やさないよう気をつけてください。

もし低炭水化物食にマイナス面があったとしても、薬物療法よりもはるかに安全性と思います。体重や血糖値は動物病院で簡単に検査できるので、半年ごとに健康チェックしてもらうと安心だと思います。

免疫を整え健康を維持する

ご愛犬やご愛猫にできるだけ苦しい思いをさせたくないというのは皆様に共通したお考えだと思います。
そのためにも、できるだけペットたちの免疫を守っていただきたいと思います。

コルディは多くの犬や猫の健康維持にご愛用頂いています。使用例も多数あります。
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監修獣医師:林美彩  所属クリニック:chicoどうぶつ診療所

代替療法と西洋医学、両方の動物病院での勤務経験と多数のコルディの臨床経験をもつ。 モノリス在籍時には、一般的な動物医療(西洋医学)だけでは対応が困難な症例に対して多くの相談を受け、免疫の大切さを痛烈に実感する。
ペットたちの健康維持・改善のためには薬に頼った対処療法だけではなく、「普段の生活環境や食事を見直し、自宅でさまざまなケアを取り入れることで免疫力を維持し、病気にならない体づくりを目指していくことが大切である」という考えを提唱し普及活動に従事している。

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